みなさんは、和風月明という言葉を知っていますでしょうか。
外国では月によってさまざまな名前がありますが、日本でも和名として作られています。
それらを総称して和風月明(わふうげつめい)と言います。
・和風月明の由来と起源
・和風月明の覚え方
・和風月明の一覧
についてお話ししますので参考にしてみてください。
Contents
和風月明の由来は?起源について
月の呼び方の和名を、和風月明と言います。
この和風月明は、ほとんどの日本人になじみはありませんが、それもそのはず。
和風月明は明治時代まで使われていた旧暦を用いたものだからです。
現在はグレゴリオ暦を採用されているため、現在では和風月明は全く浸透していません。
むしろ、ストロベリームーンなど外国名の認知度が高いため、さらに和名は使われなくつつあります。
とは言え、日本古来のものなので月に興味があるのでしたら知っておいてもいいのではないでしょうか。
和風月明は、実は西暦1000年以前にはすでにあったと言われています。
なぜなら、日本書紀に和風月明の名前が書かれていたそうだからです。
しかし、明治時代から旧暦ではなく現在のグレゴリオ暦に変わったことで、和風月明の時期がずれて使われなくなったのでは、と想定されます。
現在では和風月明ではなく、海外でつけられた名前が浸透しているため、そもそも和風月明の存在を忘れている人が多いのも事実です。
和風名月の12カ月の一覧
和風月明は1月から12月まで名前が付けられています。
まずは一覧で表示してみます。
1月:睦月
2月:如月
3月:弥生
4月:卯月
5月:皐月
6月:水無月
7月:文月
8月:葉月
9月:長月
10月:神無月
11月:霜月
12月:師走
1月から12月まで、なんとなく聞いたことのあるような名前ばかりです。
実はそれぞれに意味がありますので、それぞれの月を解説していきます。
1月:睦月
1月は睦月(むつき)です。
1月はお正月ですから家族や親族が集まり、お祝いをされているはずです。
睦には親しいという意味が込められており、そのような名前が付けられました。
それ以外にの名前では、新春や初春などが該当します。
むしろ、現代の私たちは新春や初春になじみがあると言えますね。
2月:如月
2月は如月(きさらぎ)です。
にょげつとも言い、寒い冬が終わり春に向かうという意味からそう名付けられています。
旧暦では1月から3月が春とされており、2月が中間だったことから、今のグレゴリオ暦とは微妙に季節感が異なります。
それ以外の名前は、梅見月、恵風などがあります。
3月:弥生
3月は弥生です。
3月は暖かくなり草木が生い茂る時期のため、木草弥や生ひ月が弥生となったと言われています。
生ははえる、弥はいよいとという意味を持ちます。
弥生の別名は、雛月、晩春などがあります。
4月:卯月
4月は卯月(うづき)です。
旧暦ではなんと4月は夏になります。
卯月は卯の花のことを指し、この時期に花が咲くことからそう名付けられました。
実際は5月くらいの開花ですが、旧暦を考えますと月が遅れるのは当然だと考えられます。
別名は早月、乏月とも言います。
5月:皐月
5月は皐月(さつき)です。
この時期は田植えをしており、その時期を早苗月と呼んでいました。
早苗月が短縮されさなえづきになった、もしくは田植えを「さ」と呼んでいたため、皐月と呼ばれていたようです。
皐月の別名には、仲夏、盛夏などが該当します。
6月:水無月
6月は水無月(みなづき)と言います。
旧暦では6月ですが、現在では7月にあたる真夏時期です。
名前の由来は、田んぼに水を入れることから、水無月と呼ばれたそうです。
それ以外の名前は、長夏、晩夏などがあります。
7月:文月
7月は文月(ふみづき)です。
7月は旧暦でいうと秋の時期です。
現在は夏ですが、昔は7月は秋という表現でした。
7月は稲の穂に変化が見られるため、穂見月から文月になったと言われています。
文月の別名は、初秋、新秋などが該当します。
8月:葉月
8月は葉月(はづき)です。
旧暦では8月は中秋の時期に突入しています。
この時期になると木々の葉が落ちることから、葉月と呼ばれた説があります。
葉月の別名は、竹春、仲秋などが該当します。
9月:長月
9月は長月(ながづき)です。
名前の通り、明るい時間が短くなり長い夜となるため長月と名付けられたようです。
この時期になるとお月見など、月を見る時間が長くなります。
長月の別名は、晩秋、募秋などが該当します。
10月:神無月
10月は神無月です。
神無月は、神の月という意味があります。
神無月の由来は旧暦において神様のお鎮まりに関する行事が開かれていたからだと言われています。
とある地方では、神無月とも神在月とも言われていたそうです。
神無月の別名は、初冬、立冬などが該当します。
11月:霜月
11月は霜月(しもつき)と言います。
名前の通り、11月は霜が降りるためそう名付けられました。
霜月の所説はいくつかありますが、時期的には冬の季節だというのは間違いありません。
霜月の別名は、天泉、仲冬などが該当します。
12月:師走
12月は師走(しわす)と言います。
1年のうち、12月だけ月がつかない和風月明です。
師走は、1年のなかで最も忙しいことから、そのように名づけられたと言われています。
12月は全国でさまざまな人たちが移動し、とくに年末は多忙だったことから月なくして師走になったのかもしれません。
和風月明の覚え方はあるの?
学校などでもしかしたら、和風月明を覚えないといけないかもしれません。
実は和風月明の覚え方というのは公式には出ておらず、ありません。
ですが、やり方を考えればいくつかの方法はあります。
例えば、1月から12月までの和風月明の名前の最初を覚えることです。
1月:睦月(むつき)
2月:如月(きさらぎ)
3月:弥生(やよい)
4月:卯月(うづき)
5月:皐月(さつき)
6月:水無月(みなづき)
7月:文月(ふみづき)
8月:葉月(はづき)
9月:長月(ながづき)
10月:神無月(かんなづき)
11月:霜月(しもつき)
12月:師走(しわす)
1月から12月の和風月明の1文字を取ると、
「むきやうさみふはなかしし」となります。
これだけで読むと意味が分からないので、もう少し分解しますと、
「むきや うさみふ はなかしし」
むきや、うさみふ、はなかしし、でも意味は分かりませんが、全部繋げるよりは覚えやすいはずです。
また、それぞれの用語は、割と聞いたことがあるはずですから、単語1文字だけ覚えておけば思い出す可能性はありますよね。
和風月明の旧暦と新暦にはずれがある理由
旧暦では春なのに、新暦では冬だったりしますので今と昔とでは季節の感じ方に大きな違いがあります。
昔は太陰暦を使っていたため、ずれが生じているというわけです。
昔の人は今のようにデジタルではなかったため、月を目印にしていました。
月は29.5日周期で出現するため、収穫や種まきをする農家にとっては非常にありがたい存在だったと言えます。
太陽暦は地球が太陽を1周する時期を1年としています。
太陽は365日、もしくは366日をかけて1周するため、今の時代は1年365日とされています。
そして現在では太陽暦を使用しているため、その感覚は大きく異なります。
まとめ
和風月明は日本由来の月の名前ですが、現在ではほとんど使われなくなっているため、知っている人はだんだんと少なくなってきました。
しかし、和風月明は日本の文化でもあるため覚えておいて損はありませんし、むしろ知っておくべき情報ではないでしょうか。
外国の月の名前が流行っていますが、できれば和風月明も知ってみてください。